醤油のお話

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更新日:
 2009年1月29日






◎醤油(2000年5月6日)
 醤油のルーツは、古代中国に伝わる「醤(ジャン)」であるといわれています。中国では、紀元前800年前後の周王朝の「周礼」に、「醤」の文字が記されているそうです。これは、もともと原料を塩漬けにして保存したことから始まったもので、果実、野菜、海草などを材料にした「草醤(くさびしお)」、魚や肉を使った「魚醤(うおびしお)、肉醤(ししびしお)」穀物を原料とする「穀醤(こくびしお)」などがありました。
 醤油は、その中でも米、小麦、大豆を使用した穀醤が原型と考えられています。日本に「(ひしお)」として伝わったのがいつ頃なのかは明らかではありませんが、大宝律令によると、宮内庁の大膳職に属する「醤院(ひしおつかさ)」で大豆を原料とする「醤」が作られていたとされています。
 この「醤」は今でいうしょうゆと味噌の中間のようなもので、宮中宴会などで食卓にのぼっていたようです。その後、信州の禅僧・覚心(かくしん)が1254年(鎌倉時代)に中国から持ち帰った径山寺(きんざんじ)味噌の製法から、味噌づくりが開始。紀州・湯浅の村人にその製法を教えているうちに、この醤からしみだす汁がとても美味しいことに気づき、今でいう「たまりしょうゆ」になったといわれています。
 紀州・湯浅で生まれた醤油の製法は、その後も発展していきました。1580年頃(天正年間)には、日本で最初の醤油屋と思われる玉井醤が、みそ・しょうゆ業を始めたといわれ、1588年(天正16年)には、紀州から100石(約18000L)のたまりしょうゆが大阪に送られた記録が残っています。この頃には大阪の町人衆の間では、醤油はすでに日用品であったようです。一方、関東では、醤油は伝わっていたものの、製造には至らず、上方(関西)から運ばれてきたものを使っていました。都から運ばれることから「下りしょうゆ」と呼ばれ、珍重されていました。
 醤油は長い間、上流社会での嗜好品として発達し、江戸時代までは黒大豆からつくる醤油がもてはやされました。黒大豆の表皮から出る紫色の色素が、高貴な色”紫”に通じるところから「むらさき」と呼ばれ貴重品として扱われていたのです。
 江戸時代に入り、元禄から享保時代(1688~1736年)になると、江戸の人口が増加していきました。この頃から、江戸っ子の好みに合った濃い味の醤油が作られ始めました。関西からくる「下りしょうゆ」に対して、「地回りしょうゆ」といい、今の「こいくちしょうゆ」にあたるものです。
 この頃から、醤油造りがさかんに行われていたのが、現在の千葉県の野田や銚子です。これは原料となる大豆、小麦を産する広大な平野(関東平野)に位置し、利根川、江戸川などの水路にも恵まれていたため、関東の醤油の中心となっていったようです。
 現在の醤油の年間出荷量は100万リットルあまりです。こいくちが8割強を占めますが、関西風料理の普及とともに、うすくちも増えてきています。ちなみに、「うすくち」は、「淡口」と表記するのが正しく、色が淡いということであって、塩分はむしろ濃口より多いので、高血圧の人は注意が必要です。
 1人あたりにすると、消費量は年間、ほぼ10リットルです。戦時中は別にして、半世紀あまりほとんど変わらなかったが、最近はやや減少気味のようです。女性の社会進出が進み、家庭でたれやつゆを作ることが少なくなったのがその一因だと言われています。
 日本のショウユは、江戸時代から海外に輸出されていました。この頃の日本は鎖国政策を敷いていましたが、唯一の例外として、長崎でオランダや中国との貿易が許されていました。このオランダ船と中国船によって中国本土、東南アジアやオランダ本国まで日本の醤油が運ばれていたそうです。この時代に輸出された醤油は大坂の堺や京都産、九州の地廻り醤油だったとか。輸出された醤油は樽以外に「コンプラ瓶」と呼ばれる陶器に入っていたようです。
 ベルサイユ宮殿を造った食通のルイ14世(1638-1715)の、おかかえシェフは、醤油が肉料理の味を引き立てるのに気付き、宮廷料理の隠し味に使っていたと言います。
 アメリカでは、1956年の米大統領選挙の開報速報でキッコーマンが大量のテレビCMを流してから、急速に普及しました。TERIYAKIは英語になっていますし、ご飯に直接かけるライス・トッピングと言う食べ方もあるそうです。
 現在は、世界100ヶ国以上で使われているそうです。主な醤油の輸出先は、①米、②中国、③タイ、④オランダ、⑤オーストラリアなどです。
 醤油は、現在では米国でも4割の家庭に常備してあるといい、国際的な調味料になりつつあります。もっとも、日本で生産される醤油の原料である大豆は、ほとんどが米国からの輸入です。
 醤油は、香りが一番大事なのだそうです。皆さん台所の醤油の匂いを嗅いで見てください。買いたての匂いと違っていませんか?醤油は、開封後は冷蔵庫で保管しないと、香りが駄目になってしまいます。冷蔵庫でも保存の目安は1ヶ月だそうです。
 この香りは、洋酒(紹興酒、シェリー、ポート、マディラ)、バニラ、パイナップル、リンゴ、バラ、ヒヤシンス、コーヒーなどに含まれる300種類もの香り成分が含まれているのだそうです。
 醤油には、大豆や麦のたん白質が発酵中に分解したアミノ酸という旨味成分が20種類近く含まれています。その中でも最も多いのはグルタミン酸です。
 醤油の原料は、大豆と小麦ですが、その配合によって以下のように分類されています。
 1. 白醤油:大豆:小麦=少:多
 2. 淡口(薄口)醤油:大豆:小麦=半:半・・若干小麦が多い
 3. 濃口醤油: 大豆:小麦=半:半・・若干大豆が多い
 4. たまり醤油 :大豆:小麦=多:少
 5. 再しこみ醤油:塩水の代わりに醤油を使う




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