おざら

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更新日:
 2014年8月25日






◎おざら(2014年8月24日)
 現在、「おざら」と言えば、山梨県が有名な麺料理の「ほうとう」を冷たい麺で食べる「冷やしほうとう」とも呼べる料理として認識されています。いわゆる、ざるうどんみたいな料理で、ほうとうに使われている麺を茹でた後、冷水でさらし、少し温かい汁につけて食べる料理です。汁は醤油がベースになっていることが多く、煮干しなどで出汁をとり、ゴボウ、ニンジン、ダイコンなどを入れた具沢山の甘辛い熱々のスープです。ざるうどんとの違いは、麺が「ほうとう」の麺である、ということだけでしょうか。したがって、「冷やしほうとう」というよりも、「冷やしきしめん」といった感じの料理です。
 由来が、いまいち良く分からないのですが、もともとは山梨県甲斐市(旧、敷島町)の郷土料理であったという説が広く流布しているようです。ただ、この説をたどっていくと、さらに、もともとは「おざら」ではなく、「おだら」と呼ばれていたという説も出てきます。
 この「おだら」の語源は、「お陀羅尼(おだらに)」という仏教に由来するという説があります。一年の無病息災、家内安全などを祈願して陀羅尼経(だらにきょう)というお経を読む「お陀羅尼(おだらに)」という仏教の催事の際、その法事の後に食べられていた麺料理を「おだら」と呼んでいたという説があるのです。この時、麺は特にこだわりがなく、冷麦のような細い麺から、うどんのような(ほうとうのような)少し太い麺など、いろいろと食べられていたようです。熱々の麺料理は、法事に多くの人が来た場合、準備をすることが大変ですので、麺をあらかじめ茹でておき(冷えていても問題なく食べられます)、汁は別に温めて出されていたようなのです。このため、山梨県甲斐市近郊では「おだら」という食べ物が昔からあったものの、現在の「おざら=冷やしほうとう」とは少し、異なる認識だったようです。
 この「おだら」が、何故、いつから「おざら」になったのかは、商売上の秘密があるようです。「おざら」を初めて商品化したお店として有名なお店が甲府市内にあります。そのお店は、JR甲府駅から徒歩5分くらいの場所、山梨県甲府市丸の内にある「ちよだ」というお店だそうです。「ちよだ」は昭和16年(1941年)の創業で、1970年頃に山梨県敷島町(現、甲斐市)の田舎料理である「おざら」をメニューに取り入れたそうです。ここのおざらは、麺はほうとうに使用する幅広の平麺で、ツユはしょうゆ味の温かいものです。 これが、「おざら」として売り出された最初のようです。
 もともと「ほうとう」は、熱々の料理のため、夏の時期は売上が落ちたそうです。そこで、「冷やしほうとう」とも呼べる「おざら」を売り出したところ、他のお店も真似をするようになり、山梨県内に広がっていったようです。このため、「おざら」は夏期限定のメニューである店が多いようです。
 この時、なぜ「おざら」と命名したのかは不明ですが、「ざる」に乗せて食べることから「ざる」が変かして「ざら」になったとも、「おだら」が甲府なまりでは「おだら」に聞こえるからなど、いくつかの説があるようです。
 真偽のほどは分かりませんが、もっと商売上の理由があるという説もあります。実は「おだら」は、2000年(平成12年)3月3日にある方が商標登録をしてしまったため、それまで「おだら」と呼んでいたお店は「おだら」が使えなくなり、仕方がなく「おざら」に変更したという話があります。このため山梨県製麺協同組合は、2000年(平成12年)6月2日に「おざら」を商標登録し、山梨県内のほうとう専門店に「おざら」で統一するよう指導していったというのです。
 この話が真実であれば、「ちよだ」が最初に売り出した料理は、「おだら」だったのかもしれません。もともと敷島町付近の郷土料理は「おだら」だったという説があるのですから、名前のみ、2000年になって変更した、ということも理解できないこともありません。
 実際、2008年5月、山梨県中小企業団体中央会のインタビューで、山梨県製麺協同組合、専務理事の八代善雄氏は「おざらは、1998年頃、冬場に楽しむほうとうを夏場にも楽しめるように開発した」と言っています。この辺りは、「おざら」と「おだら」の商標登録も含めた説明として、十分、理解できる話になっています。
 現在、山梨県の製麺会社のウェブサイトなどでは、「おざらは、山梨県製麺協同組合の統一ブランドです。」と記載されていたりして、山梨県製麺協同組合として「おざら」を統一して販売促進していることがうかがわれます。
 実際に、「おざら」を食べてみますと、幅広麺であるものの、コシはなく、正直に言って、「こんなものか」という程度の感想でした。私は、根菜や芋などと一緒に味噌味で煮込んだ熱々の「ほうとう」の方が美味しいと思いました。私は、暑い夏でも、山梨に行ったら、熱々の「ほうとう」を食べたいと思います。




これが「おざら」です。



麺は、「ほうとう」です。



汁は、熱々です。



薬味です。生姜を入れすぎると、全てが生姜味になって、失敗でした。




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