チーズのお話

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更新日:
 2014年11月2日






◎チーズ(英語: cheese、フランス語: fromage、ドイツ語: Käse、イタリア語: formaggio)
 チーズとは、牛、水牛、羊、山羊、ヤクなどの乳を原料とし、凝固や発酵などの加工をしてつくられる食品(乳製品)です。日本語での漢字表記は「乾酪」です。
 家畜の乳は、古くから栄養価の高い食品として世界中で利用されてきましたが、冷蔵庫がない時代、長期の保存ができませんでした。また液状のため、運搬するのも不便です。これらの欠点を補うため、水分を抜いて保存性と運搬性を高めたのがチーズの始まりのようです。
 チーズがどのようにして発見されたのかは正確には分かっていないようですが、紀元前4000年頃には作られていたと考えられているようです。有名なチーズ発見の話として、次のようなアラビアの伝説があります。
 アラビアの商人が果てしなく広がる砂漠を横断する長旅に備え、羊の胃袋で作った水筒に山羊の乳を入れ、ラクダの背にくくりつけて旅に出たそうです。暑い砂漠を歩き、疲れたので喉の渇きを癒そうと水筒を開けたところ、ミルクが出てこなかったそうです。何とそこに乳はなく、白い塊(カード)と透明な液体(乳清)が出てきたそうです。気持ち悪いと思ったものの、喉が渇いていたため、おそるおそる食べてみると、これがとてもおいしかったそうです。そして、この話を知人に伝えると、次第に広まっていったそうです。
 これは、太陽熱で温められた山羊の乳が、偶然、羊の胃袋の中にあった酵素の働きによって固まったことを示しています。このチーズの原型がエジプト、インドなどに広まっていき、さらにトルコを経て、ギリシャ経由でヨーロッパやアジアにも伝播していったという話です。
 ところが2012年12月12日、およそ7000年前に先史時代の人類が、ポーランドで土器を使ってチーズを作っていたことを示す証拠が見つかったと、英ブリストル大学(University of Bristol)などの国際研究チームが科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表しました。
 英ブリストル大のリチャード・エバーシェッド(Richard Evershed)氏(有機地球化学)の研究チームが、ポーランドから出土した約7000年前の素焼きの土器片に付着していた脂肪酸を化学分析した結果、現代のチーズ製造用こし器に匹敵するほど大量の乳脂肪分が検出されたそうです。論文は、この土器が牛乳から水分を抜き凝固した牛乳(カード)と乳清に分離する作業に用いられたことを示す強力な証拠だと結論付けています。
 このことは、チーズの発祥が中東ではなく、ポーランドあたりの中央ヨーロッパで始まった可能性を示唆しています。このチーズの原料はヤギの乳であり、現在のポーランドでも多くの種類の山羊乳チーズ(いわゆるシェーブルチーズ)が存在しています。
 現在、世界中で様々な種類のチーズが製造、販売されています。FAO(国連食糧農業機関)およびWHO(世界保健機関)では、チーズを以下のように定義しています。
 『チーズとは、フレッシュ又は熟成した、固形又は半固形の製品であり、下記のいずれかに基づき製造されたもの。
 (a)レンネット又はその他適当な凝固剤の作用により、乳、脱脂乳、部分脱脂乳、クリーム、ホエークリーム、バターミルク又はこれらのどんな混合物であっても、 それらを凝固させ、この凝固物より分離するホエーを部分的に流出せしめることで得られるもの。
 (b)乳及び、または乳から得られる原料を用い、凝固を引き起こす加工技術により(a)に限定されている製品と同じ化学的、物理的、官能的な特徴をもつ最終的な製品。』
 日本では「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」で、チーズを「乳を乳酸菌で発酵させ、または、乳に酵素を加えて、できた凝乳から乳しょうを除去したもの」と定義されています。
 乳に凝乳酵素(レンネット、Rennet)または、酸(食酢、レモン汁など)を加えて静置すると、ふわふわした乳タンパク質の白い塊と上澄みの水分(乳清、ホエー(whey))に分離します。この白い塊はカード(curd、凝乳)と呼ばれています。これを絞るなどして、さらに水分を除いたものがフレッシュチーズ(fresh cheese)と呼ばれるチーズの原型です。ここでレンネットとは、母乳の消化のために数種の哺乳動物の胃で作られる酵素の混合物のことで、チーズの製造に用いられており、凝乳酵素とも呼ばれています。
 多くの場合は、このカードに熟成、加工の過程が加わって、様々な味わいのチーズを作り出しています。加工の過程では乳酸菌やカビなどを用いて発酵させたり、加温、加圧などの工程を加えて保存性を高めるなどの工夫が凝らされています。
 チーズの種類は、世界中で1000種類以上あると言われていますが、日本ではナチュラルチーズ(natural cheese)とプロセスチーズ(processed cheese)が一般的です。
 ナチュラルチーズは牛、山羊や羊等の乳に、乳酸菌や凝乳酵素(レンネット、Rennet)を加えて凝固させ、そこからホエイ(whey、乳清)の一部を取り除き、乳酸菌やカビ等の微生物で発酵、熟成させたものです。(一部、熟成させないものもあります。)
 ナチュラルチーズは加熱や殺菌などの加工をしないため、チーズ本来の味わいと風味があり、個性が楽しめ、ヨーロッパでは一般的です。一方、長期保存はできません。また、乳酸菌や酵素が生きたまま含まれているため、腸内の善玉菌を増加させ、便秘や吹き出物の予防にも役立ってくれると言われています。
 プロセスチーズは、1種類または2種類以上のナチュラルチーズを砕き、乳化剤を加えて加熱して溶かし、それを型に入れて、再び成型したものです。加熱によって細菌や酵素の働きが止まっており、熟成がそれ以上進まないため、風味が変化しにくく、長期保存が可能になっています。20世紀の始め頃、スイスで開発され、昭和の初め頃、日本に入ってきました。現在の日本では箱形、扇型、棒状、粉末状、スライス状など、様々な製品が作られています。




  
  



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